「ねえ、カシワバラさん」

「なんですか?」

「まっつんのやつ、今日は何故か帰る前に自分のくそ汚い机の上を整頓して行きましたよ」

「ああ、明日からしばらく休むからですね」

「え、なんで?」

「だってほら、結婚するじゃないですか」

「あー、あれ、嘘じゃなかったんだ?」

「あたりまえです!」

「はー、そっすか。で、どこでやるんですかね?」

「えーそんなの聞いて、まさか式場にさらいに行くつもりじゃないですよねー?」

「やー、そんなー、あーでも、じゃあ、行くかなあー? どうせ暇だし」

「わあ、いいですねえ、素敵です」

「つーか朝早いんすかね?」

「どうでしょう?」

「朝早いなら俺はパスだな」

「わあ、やる気ないですねー」

「でもひとりで行くのもなんだなー」

「さらいに行くなら普通ひとりでしょう?」

「そうだ、ウッツを誘おうかな?」

「ウッツと待ち合わせて、さらいに行くんですか?」

「なんかそのほうが心強いし」

「ええー」

「で、式場の窓をガンガン叩くでしょ? そしたらまっつんが振り返って俺と目が合って、そこで第一声が『いや、俺はやだって言ったんだけど、ウッツがどうしてもって…』」

「だいなし!」