終わった。終わった。完全に終わったよ畜生!(肥溜めにダイブ)
今度こそ俺の番だと思ったのに、そうじゃなかった。都合のいい奇跡は起きなかった。世の中そんなに甘くねえっつうか、世の中はやけに俺にだけ厳し過ぎやしないかい?

恋をしてる奴ってのはまったくおめでたい。あいつら周りが見えてない。主観で生きてやがる。そして、決定的に面白くない。なんかの映画であったセリフ、トレーナーがボクサーに言う。「女はダメだ。女は足にくる」
そのとおり、だから俺はフラフラだ。そして、面白くない人間になってた。

面白いってことを重要視するようになったのは、いつからだろう。それは自分に足りない部分を埋めるためか、過剰な自意識を誇示するためか。うだつの上がらない、毎日ろくなことがない、どこまでもショボい自分でも、あいつらよりましなことが言える。そう思って生きてきた。幸せと面白さは反比例する。だからこれでいい。そう思って生きてきた。

だけど、今度ばかりは俺、幸せになりたかったよ。