美容師さんが「今回パーマやめときましょっか?」なんてアドバイスくれるもんだから、あーたまにはそれもいいかなあってパーマかけなかったんだけど、たぶんあれ、美容師がめんどくさかったんだけだと思うんだ。そんとき店混んでて忙しそうだったし。彼女疲れた顔してたし。俺が店出たあと塩撒いてたし。だからなんか納得いかない気分で家帰って、バスルームでひとしきり大暴れして、死神とダンスして、悪魔とドライブして、布団にくるまって声を殺して泣いた。泣きながら猟奇的犯罪の計画を練っているうちに寝てしまった。

ところが腫れた目をして次の日会った友達も、週明け行った職場でも、みんなが口を揃えて「パーマしないほうがいいね」だって。えーと、なんですと?

だったら20代中盤から31まで続けてきた、俺のパーマネントへの執着は意味がなかったということになってしまうじゃないの。えー? ええー!? 俺けっこうがんばって、くるっくるっくるっくる、巻いて巻いて巻いて、結んで開いて手を打って巻いて、なにかっつうと巻いて、これでちょっとはマシに見えるんじゃないかって顔のショボさ少しでも誤魔化うわーそういうことは早く言ってよ!!