なあ坊主、ニッキソニックて知ってるか?
「知んない」
あー、じゃあニッキてわかるか?
「わかんない」
じゃあこれは?
「ボールギャグ」
うん。そういうのはわかるんだ?
「で、ニッキソニックだっけ? それってなに?」
ああ、簡単に言うと、web日記の祭典だな。
「へえー、じゃあ裸の女とか出る?」
いや、たぶん出ない。
「ふーん、じゃあ興味ないや」
えー、そうなの?
「うん、えへへ」
いやー、でもちょっと聞いてくれよ。
「えーやだよう。だってこれっぽっちも興味が沸かないもの」
そうなのか…
「うん、だって夏だし、日記がどうこうよりも女の乳や尻のほうが重要じゃない? ねえー、おっちゃん、しっかりしなよー」
ああー、夏だしなあ…
「うん、ぼくらにはもっと他にやるべきことがあるんじゃないのかな? そんなことにかまけてる時間なんてないのさ!」
お、おっちゃんだって、ほんとはわかってたんだ! だけど、だけどよう…!
「わかってんなら行こうぜ! ぶちかまそうせ!」
…出るんだ。おっちゃん。それ。
「え?」
それ出るの、おっちゃん。たははは…
「あ、えーと、いやでも、ソニックて響きはどことなく格好がいいね! うん、悪くないと思うよ!」 え、そうかな?
「うんうん、やっぱりそれ出るのもさ、けっこうたいへんなんじゃないの? なかなか出れるもんじゃないとかさ?」
いやー、実はそうなんですよ! あっはっは!
「ですよねー」
まあほら、おっちゃんくらいになるとな、どうしてもこういうの、出なきゃならないっていうか、周りがほっとかないんだよな! いやあ参ったな! 俺はやだって言ったのにさー!
「で、出るのにいくらかかったの? 100まんえん?」
馬鹿言うな。それじゃ全然足りないぞ。