一日中やってやがる会議の合間の昼休み、キノさんとイダくんが目を合わせてにやけている。なんだよ? 俺にも教えろよこのスケベ。え? 会議中に、あの、かわいこちゃんの、乳首が勃ってたって? や、待て。ちょっと待て。それは捨て置けない発言ですぞ。そんなの俺は気付かなかったぞ。怪しいもんだな。し、しかしまあとにかく、昼休み早く終われ!

相変わらず退屈な午後の会議、しかしその水面下では極秘に白熱した別の会議が行われていた! なあーイダくんさあ、あれ、勃ってるか? 「いや、今は勃ってないみたいです」 じゃあなに? 午前中は違ったの? 「はい、午前中ははっきりと勃ってるのがわかりました」 はあ、はっきりと、乳首が勃っているのが服の上からでもわかって、君とキノさんはそれを見た、と、言うんだね?

ええーそりゃ解せないよ。解せないなあー。まず君達が見て俺が見てないってのが、解せないなー。悔しいじゃないか。だって俺のほうが君達より彼女を幸せにする自信あるよ? だいたい彼女はまさかノーブラで会議に出席するようなふしだらな女のはずはないし、でも実は秘めてる淫らな欲望は、俺とふたりきりのときだけに開放される予定になっているんだから! 来春ぐらいには!

そのとき僕は見たんだ。彼女の肩から微妙に瞬く希望の紐を。そう、ブラ紐だよ! よーし、これでノーブラじゃないことは確認された。やっぱりな。これで謎は解けた。あのさー君達が乳首だとか言ってたのって、ブラの表面の装飾が服の上に響いてただけじゃないの? ねえ、そうでしょ? そうなんでしょ?

「いや、あれは確かに乳首だったっす」 ておい、そらねえだろう。じゃあなにかい、あのかわいこちゃんの乳首は、ブラ越えてさらに服越えて、その上から見てわかるほどに突き出していたというのですか? ましてやあの娘胸小さいよ。俺の予想ではたぶんブラにはパット入ってる。そのパットも越えただと? そんな乳首を? あの娘が持っていると? 俺はそんなのは認めない!

それでも引かないキノさんとイダくん。俺だって持論を曲げるつもりは毛頭ないね。そして永遠に続く、僕達のぽっち会議。