地球最後の日に何を食うかって、そんなもん、おにぎりに決まってるじゃないか。


おにぎりをむさぼるコウイチ。モグモグ。ん? オリベたん、 なに? なんか用? モグモグ。

「おにぎり…」

え、これは駄目だよ、あげないよ。いくらオリベたんでもこれは駄目だ。やっと買えたんだからな、売店で。いつも売り切れてるからね。モグモグ。

「お………にぎり」

ええい、駄目だって! あのね、これは子供にはまだ早いの!

「……あたしだって、おにぎりぐらい食べたことあります」

ははは、馬鹿な。君が今まで食べたおにぎりなんて全部ニセモノだよ!

「ガーン!」

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席に戻り、椅子の上に体育座りでたたずむオリベショウコ。
得意の小走りでまっつんが近付く。

「オリベたん、どうしたの? 悲しそうな顔して」

「まっつんださん…あたしが今まで食べてきたおにぎりって、なんだったんでしょう?」

「それは子供のおにぎりでしょ?」

「あたし、もう大人です! いろんなおにぎりだって食べました!」

「子供はみんなそう言うんだよ…」(微笑みながら)

「えー…」

夕日がふたりを優しく包んでいた。