■
べつに俺、自分が変わり者だとか思ってないし、誰でも多かれ少なかれ、似たようなもんだと思うんだけど。
昨日キダム観に行って、まあ結構面白かったよ。でも俺、こういうときもいろんな邪魔なことを考えて、目の前のショーだけを楽しめない。例えば数列先の客、あの不自然な喝采振りはサクラじゃないのかとか、後ろの席の奴らの会話は百姓まるだしだとか、今ステージに連れていかれた客、あれはもちろん仕込みだとか。
んで、ショーのクライマックス。最後の大技をやる人達がね。2回失敗したの。そして3回目に成功。観客は前の2回の失敗のせいで余計に盛り上がったわけだけど、これってたぶん、わざと2回失敗してるんだよなあ。
そんな感想を今日まっつんに話すと、「純粋じゃない」とか「ひねくれてる」とか言われて、まあ俺も話した相手が悪かったな。俺にとってまっつんは悪しきマジョリティの象徴だ。奴らは自分のすぐ近くにある深い穴に気付かないふりをしている。考えるのをやめたら死んでるも同然だぜ。僕は死ぬように生きていたくはない。
そんなことをまっつんにまくしたてたら、反撃された。
「ヤングさんは穴の中覗き過ぎ!」
ああ、そういうことか。