バックストラップのその靴の、むき出しのかかとが僕を誘うから、ふと我に返ったときには、えーとここはどこなんだろう。どっちに帰ったらいいかもわからない。ときどき考えるのはね、つまさきと、かかとと、足の裏、僕はみっつのうちどこがいちばん好きなのかなってこと。あーん決められなーい。もっと近くで見せてくれないと駄目だよーうっていうのが、このおぞましい病気の特徴で、今のところ有効な治療法も見つかっていないのが実状です。

私はこれをバックストラップ症候群と名付け、ほらこう言うとなんかかっこいいっぽいし、まるで僕はひとりじゃない、仲間がいるって感じが…ゲフッ! ガターン! はあはあはあ…くるしい…だ、だれかコンサバの人…早く…顔を踏んで…