腕時計を買おうと思うんだ。時刻なら携帯電話でわかるとはいえ、腕時計ってのは男のステイタスシンボルじゃないですか。いい大人になったら、やっぱり腕時計をつけないとね。ただし安物はダメ。子供っぽいのもダメ。マジックで描いたやつはぜんぜんダメ。

実は以前、安物の腕時計を買ったことがあるんだけど、酷いんだよ。バンドが腕の毛を挟んですごく痛いの。なにそれ。どういうつもりで製造・販売してるのか。まさか拷問用なのか。そんな機能は付いてなくていい。だから安物はダメなんだよね。高い時計ってのはたぶん、つけても腕が痛くない。

高くて格好のいい腕時計をしていたら、例えばお見合いパーティとか行っても女性がどんどん寄って来て、そりゃもうモテまくって即ハメ間違いなしだって木村太郎が言ってた。安藤さんもうなずいてた。

だったらもう買うしかないんで、ネットで腕時計を見てたんだけど、いろいろありすぎてどれがいいのかわからない。だから時計について検索して調べてみる。大切なことはみんなグーグルから教わった。クォーツ時計は1969年にセイコーより発売された。日時計は紀元前2000年頃にはバビロニアで使われていた。

だけど、どれだけ検索してもわからないのは、どの時計をすればいちはやく、即ハメでワリキリの相手がみつかるかってこと。そのことはつまり、太古の時代から人類に課せられた命題であり、バビロニア人もけっこう苦労したのだと言えよう。(了)