「はい、では次は埼玉に移りたいと思います」

「あーついに来たかー」

「えー、埼玉ねえ…」

「なんかあったっけ?」

「君、出身だろ? 何かないのかね?」

「はい、そうですねー、ネギとか? 深谷ネギ」

「それ有名なの?」

「いや、あんまり…」

「はいじゃあ他にはー?」

長瀞、こないだバーベキューしに行きましたけどね」

「んでその辺、なんか特徴あるの?」

「や、別に」

浦和レッズは? サッカーとかで」

「サッカーつったら静岡だよな」

「だから名物とかさ」

「名所とか」

「歴史的人物は?」

「いやーどれも浮かばないっすねー」

「まずいな、こんな事態に陥るとは」

「うーん、困ったね」

「どうします?」

「とは言っても、ここだけ抜かすわけにはいかないからなあ」

「あのーこれはもう、最後の手段しか」

「え、まさか、それって…」

「マジで?」

「いいの?」

「しょうがないでしょ」

「えーオホン、ではここはひとつ…」

「駄洒落で」

「決定」

「では本日はここまでー」

「よーし寿司でも食い行っかー」




   サイ

   と

   タマ