何もない地面を掘って、大きな穴ができたらそれを埋める。またそこを掘る。そして埋める。これを延々と繰り返させるのが捕虜に対する拷問だと知ったときは正直驚いた。だってそれは俺が毎日している仕事だからだ。馬鹿な。俺は捕虜じゃない。ちゃんと給料を貰っている。頑張れば上のステージに上がれるし、一週間に一度アイスだって食べられる。

つーかまあそんな冗談はともかく、最近ますます仕事が忙しくなってきて、ソフトウェア開発室は修羅場と化している。なにしろみんな頬は痩せこけ、目の下には隈、眼鏡にはヒビ入ってる。ピキッ、ピシッ、パリーン。床に捨てられた眼鏡の山。それが仕事のハードさの象徴だ。

そして恐ろしいことだが、起きているときも、寝ているときも、常に仕事のことが頭から離れない。シャベルのことが頭から離れないんだ。