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オリベたんがナ・マ・イ・キ盛り。誰だこの子を甘やかしたのは。昔はおにぎりとヴィヴィアンがだいすきないい子だったのに、それが今じゃなんだ。小手先の技なんて身に付けやがったよ。
「ヤングしゃん」
なんだい?
「おなかすいたよぅ」
ズッキューン!! 撃ち抜かれた。ああもう駄目だ。寿司を奢らずにいられない。よし行こう。オリベたんが食べたいものなんでも頼んでいいよ。
「わたしは うにとか かにとか たべますよ」
ええ! こないだはおいなりが好きって言ってたじゃないか。
「ざんねん おいなりきらい」
なんでだ。女の子はみんなおいなりが好きなんだぞ?
「きらい つまんないあじだから」
悪い子だな! そんな子じゃなかっただろ!?
「わるいこじゃないもん だいたいあじに深みが無い」
ガーン!! オリベたんが…不良になった! そ、そんな聞き分けのない子は、寿司に連れて行ってあげないぞ!
「じゃあいいもん あたしいかないもん もう帰るし」
お、俺だってもう帰るよ! あーまったくなんだってこんなことに。女ってのはみんなそうだよ。いつの間にか俺より立場が遥かに上になってんだ。
「ヤングしゃん」
あー、なんだい?
「あたしといっしょに 帰りたいんですね?」(にやり)