寒い。寒いね。こないだまで電車の中でうっかり触れたおっさんの腕がぺちゃっと湿っててものすごく不快でやりきれない気分にさせられるこの季節だったのに。そして俺は不快にさせる側だったのに。そう。いつのまにか、そっち側に行ってしまっていた。ああ、ここはなんて臭いんだ。

それが急にこの寒さ。この変わり身の早さ。さっきまでの笑顔はなんだったのかと思うほどの、冷たい態度。どうしてですか。僕がちょっと、小倉優子を誉めただけですやん。そして君は去る。僕は立ちすくむ。秋の風が吹いていた。ちっ、まったく俺には学習能力ってやつが決定的に欠如してやがるらしい。(ランニングでぶるぶる震えながら)

喉元過ぎれば熱さ忘れちまう。そういえば冬って寒かったし、女って残酷だった。そうだ寒いなら着こめばいいじゃない。人肌なんていりません。ミーのカーを北へ向けて飛ばす、その先には実家。ちょっぴり遅めの、衣替えなのです。