職場の飲み会とか、こう、自分をどこまで出していいのかっていうのを測りかねる場面で、同僚が、「脚が好き」だとか言うので、あーそうなんだ、ふーんて相槌打てば、「太ももが…」とか「足首が…」とかそんなことを聞かせられ。

へーえそうでちゅか、よかったでちゅねー。だからそんなのは俺に言わせりゃ赤ちゃんだから、まるで話になんないわけで、まったくライトな嗜好の奴ってのは楽でいいな。面と向かって人に話せるような、そんな安物のフェチなんて、俺は共感することはできないんだ。

アフロヘアはでかいほうが偉いし、煙草はタールが多いほうが偉いだろ? 刑務所じゃ罪の重いほうが偉いって言うし、じゃあフェチだって極めたほうが偉いに決まってる。極めるってことはつまり、スタート地点から離れること。スタートがムチムチの太ももならゴールはそこから遠く離れたムレムレのつま先。鼻を擦りつけ、そのものすごいニオイを思い切り吸い込んで…う、ゲボーッ

俺もまだまだ修行が足りないみたいなんだ。