ひき始めで治ったことなんか一度もないんすけど風邪。あー煙草まじー。昨日休んだけど良くならない。でもさすがに二日も続けて休めないから会社へ向かう。そりゃ大概の仕事なんて代わりはいくらでもいて、別に今日俺が出なくたってなんとかなっちまうんだ。でもだからこそ、出なきゃなんないだろ。お払い箱にはなりたくない。もうあんな(木々の樹液を吸うような)生活には戻りたくないんだ。

職場のモニタの前で、ああーうん、やっぱり、調子悪い。頭ぼーっとするし喉痛いし体の節々がぞくぞくする。自分の引き出しに入れてあった風邪薬は空っぽで、カシワバラさんからよく知らないメーカーの薬を渡された。ところがこの薬、ビンに貼ってある説明書きの使用期限が、200... 下一桁の数字が削られてる。明らかに、期限切れ誤魔化しちゃいました、なんて風情が漂っているが、まあいいか。これ最後の三錠しかないっすけど、貰っちゃいますよ?

まあこんな薬なんてどうせ効かないんだよ。気休めにしかならないんだ、普通は。でもこのときばかりは違ったんだな。みるみる効いてくるのがわかるんだよ。頭がすっきりしてきて喉の痛みも消えた。体もピンピンしてきた。そしてハッキリと、わかったんだ。俺はなんでもできる。どこへでも行ける。鳥のように虫をつつくこともできるし、九階なんてまだ低い低い…!