では本日ただいまより、ブーツの呼び名を「足クサ靴」と改めることになりました。文句のある者は前に出ろ! そしてその得意げに履いている足クサ靴の、ジッパーをゆっくりと下ろしてみろよ。ほうら、できないだろう? それがなによりの証拠じゃないか。君達は、足クサ靴を履いて足を履い、一日かけて足を臭くして生きている。それは覆すことのできない事実なんだ。もういい加減に諦めて認めてしまえよ。これでもまだ踏ん切りがつかないっていうんなら、俺にだって考えがあるぜ?

だいたい君達をこんな場所に集めたのだって、ちゃんとした理由があるんだよ。では今からこの下駄箱を、ひとつひとつ開けていくからな。謝るんなら今のうちだぞ。自分の下駄箱からどんな悪臭がするかってのは、自分がいちばんわかってるはずだよな? ふふふ、じゃあまずは、この扉だ! (ガチャッ) …!? なぜだ! 臭くない! それどころかいい香りが…え、このティッシュに包まれたものはなんだ!?

…石鹸!(ガクッ)

こうしてブーツの流行はひとりのOLのエチケットによって守られたのです。