年の瀬、仕事が終わらない。先輩と俺のふたりで抱えてる仕事だーけーがー終わってない。だから仕方なく休日だってのに出勤したら、なんだかやけに人がたくさんいたよ。どうやら週明けに行われる部の忘年会の、余興の練習をしてるみたいなのよ。

えーとあのね、俺が切羽詰まって仕事してる机の前方5メートルの場所に、でかいテレビが置いてあるんだ。そのテレビはマツケンサンバを流してて、その前で数人がテレビに合わせて踊ってる。なんだこの空間。歪んでる。情熱的に踊ってたひとりが、急に俺のほう振り向いて、「あ、気にしないでね」って。ええもちろん、ほんとにもう、全然気にならないッス!

そうかと思えば今度は後ろのほうからギターの音が聴こえてきた。合わせてなんか言ってる。
「残念! 〜斬り! 残念! 〜斬り!」

まったく残念だよ。