君は自分の足が臭くて汚いと言う。触れたら駄目。嗅ぐのも駄目。舐めるのなんて絶対駄目。わかったじゃあ洗ってから、ね? なんて、それじゃ意味がないんだよ。

10年ほど前に、脱ぎたてのパンストの匂いを嗅いだ。投げ捨てた。びっくりした。思った以上に強烈過ぎた。その当時既に足が相当好きだったのだけど、それでもまだ越えられない壁があったことを知り、ショックだった。しかしそれからも僕のびよきは悪化していった。この人様に顔向けできない恥ずかしい道を、随分と歩いてきたのだと思う。

自分を知ること。それこそが生きることの意義だ。僕は確かめたいんだよ。今の自分があの場所からどれだけ離れたところに立っているのかを。だいじょうぶ、今度ばかりは自信があるんだ。だから黙って、じっとしていてほしい。君の足が汚いかどうか、それを決めるのは僕なんだよ。