けっきょく大掃除は終わらなかった。よって電球の交換という命題も、未解決な問題の山の、いちばん上に積み足され、それら全部放り投げて、大晦日の電車に乗った。

目覚めると外は一面の銀世界、なんてはずは当然なくて、パチンコとカラオケ、それとラブホテルくらいしかない、ありふれた中途半端な田舎。相変わらずな地元の駅に電車がついた。人影もまばらな通りを抜け、月極駐車場に停めてある車に乗り込み、キーを刺し、回す。エンジンがかからない。何度も、何度回してもかからない。

とりあえず温かいお茶でも飲もうかと、歩いてみつけた自販機に、2007年になったって教えられた。どうやらまた新しい年が来たみたいだな。