いつも綺麗に読んでくださってありがとうございます。

来年の話をすると鬼が笑うって言うけど、去年の話をしたら君はどうなるの?

ふたご座流星群てのが、毎年12月に見れるんだって。だから去年の12月のある晩、流れ星を見るために外に出てみたってわけ。そんな俺のロマンチックなとこに君は夢中なんだろうね、どうせ。

ところがろくに調べもしなかったもんだから、どっちの方角を見たらいいのかわからない。でもまあ、そんなうかつなところも俺の魅力だと思うことにして、たまたまみつけた駐車場で仰向けに寝て空を見上げ、どこで星が流れても見逃さないようにしたんだよ。

これで星が流れようもんなら、お願いしまくってやろうと思ってね。来年こそブレイクしますように。そんでタイアップ取ってコラボしてヒット飛ばしたら、スピンオフなんかもドロップしたい。それを星が流れるその刹那、早口でまくしたてる気でいるからね。

しかしぜんぜん流れないんだ星が。こんな真冬の真夜中に、地面に寝てるもんだから寒くてしょうがない。前から思ってたけど、ホームレスって大変だな。こんな状態だったら俺すぐ風邪ひいて死んじゃうよ。よほど体が丈夫じゃないと、ぜったい冬なんて越せ…あ、流れ星!

ホームレスになりませんように。