あちこちでおめでとうなんて言ってるけど、年が明けてなにがめでたいもんか。むしろ明けなかったほうがよかったくらいだよ。年が明けなかったらあのままずっと、こたつに入って刺身を食いながらガキの特番を見ていられたんだから。

ところがなんでか知らないけど、みんなが明けたがるもんだから、どうやらなんか明けちゃって、その結果がほら、また会社に来るはめになった。まったく君たちはとんでもないことをしてくれたよね。

机の上には、去年の俺がぶん投げて逃げたままの仕事の山がそのままに。できればそれはそのまま来年の俺にスルーパスしたいとこだけど、監督が許してくれそうもないんだよ。

けっきょく新年なんていっても、去年の続きでしかないからね。べつに新章に突入しない。とくになにも変わらない。今年もカラータイツに悩まされるに決まってる。まあでも、あえて変わったことを挙げるとするなら、更に納期が近付いた。げー

うんざりしながら開けた引き出しの中には去年の俺が残したメモ。
「まず最初に課長の頭をはたく」
うんまあ、そうすれば新章突入だけど。