練習嫌いのブルース

会社さぼって昼過ぎ起きて、くたびれた服着て外に出て、適当な飯食って帰ってきて、煙草に火をつけ、ギターを鳴らした。でも、なんか変だ。ちゃんとした音が出ない。ああ、そういえば俺、ギター弾けなかった。

たしか最初にギターを買ったのは、高3くらいか。それから進学とか就職とかいろいろあって、家を出て、何回か引っ越して、結婚して。初めて買ったやつとは違うけど、今も部屋にはギターがある。ぜんぜん弾けないのに、何故かある。まあ、うすうす感づいてはいたのだが、ギターは持ってるだけじゃ、弾けるようにならない! コニチハ〜トーキョー!

しかしこんなにも長い間、20年くらい、弾けないのに、よく捨てないでいるものだと、けっこう感心する。なんかやっぱり、いつか弾けるようになりたいみたいだな俺は。そんであわよくば、オーディエンスを沸かそうなんてたくらんじゃってる。それに、こんな午後にいちばん似合うのは、ギターを弾くことだと思うんだ。

もう一度、鳴らしてみた。変な音が出た。指が痛い! アリガト!