鼻毛が出ている

職場の20代前半の青年の鼻から鼻毛が出てた。それもちょっと出ちゃってるとかじゃないよ。1センチくらい出てる。軽くこんにちは〜ってレベルじゃない。どうも初めまして、どうかよろしくお願いします!って握手されるくらい出てる。しかも左右合わせて6、7本出てる。どうか僕らをお願いします! 末永くお願いします!って。いやだ。末永く付き合いたくない。

そんな状態なのに当の本人は真面目な顔してんだよね。どういうことかな。これはもう意識的に出してると考えたほうがいいんじゃないのか。なるほど、まあ俺なんか古いタイプの人間だから、鼻毛は出てないほうがいいなんて思うけど、そんな常識を打ち破るとこから新しいファッションは生まれるんだよね。普通にもみあげを伸ばすみたいな感覚で鼻毛を伸ばしてるのかもしれない。うん、そうか、だったら俺は今の若者は理解できん!

もしくは、そうだ、彼は帰国子女なのかな? 世界は広い。国によって文化は異なる。彼が長年暮らしていた国では鼻毛を伸ばすのは常識だった。だから逆に俺を見て、この人鼻毛出てないって驚いてるかもしれない。鼻毛出てないなんて信じられないってブログに書いてるかもしれない。そんな彼に鼻毛を切れなんて言うのは俺のエゴの押しつけでしかない。そんな理不尽なこと俺にはできないよ。

きっと彼は鼻毛が肩まで伸びたら彼女にプロポーズしようと思ってるんだ。プロポーズされた彼女はちょっと古風な娘なので当然悩むんだけど、彼はいい人だし、きっとそのうち切ってくれる、いや、私が彼を変えてみせると心に誓い、彼の家に挨拶に行ったら両親が2人とも鼻毛出てて。でもそんなことで私の愛は変わらないって気持ちが燃え上がるけど、結婚式で彼の親族全員鼻毛出てて絶望する。