神様お願い

厄年なので厄払いに行ってきた。大きな神社だったから、祈祷を申し込む人もたくさんいるので、けっこう流れ作業だったよ。2、30名くらい一緒に、厄除けも縁結びも商売繁昌もまとめてやっちゃう。そうでもしないと来る人をさばききれないから、しょうがないのだろうけど。

そんな状況だと何か間違えられやしないかとちょっと心配になる。神主が読む祝詞の中で参拝者たちの名前を言ってくれるんだけど、自分の名前が跳ばされたりしたら、なんかすごく縁起が悪いでしょ。居酒屋でオーダー跳ばされるのとはわけが違う。これで厄がうまく払えなかったら、翌日死体になってドブ川で発見されることにもなりかねない。

まあけっきょくは何の問題もなく、滞りなくやってもらえたわけだが。人間の受け持ち分はね。こうなってくるとあとは神様ね。やっぱり神様だってコンディションとかあるだろうし、こんなにも願い事が多いと、うっかりミスをするんじゃないか。合格祈願に来た女子中学生に安産のご利益を与えたら、その娘の人生が大きく狂ってしまう。

だから「どうせなら小さい神社に行って1人ずつで厄払いしてもらったほうがよかったかな」って言ったら、妻は「1人なんて、なんか気まずい」って。そういう考え方もあるか。神様と1対1になったら、会話が途切れるのが怖くて「お忙しいんですか?」とか、しょうもないこと訊いちゃって。たいして願ってないことまでお願いしちゃって。腕がドリルになっちゃって。