無地の良さ

この歳になってやっと無地の服が着れるようになった。いままでは、柄とか、ロゴとか、イラストとか、ワンポイントなんかが欲しかった。もらえるものは何でももらいたかった。ないよりはあるほうが得だと思ってた。前に前に出て行こうとしていた。常に押してばかりだった。

シンプルな服を着るのが恥ずかしかった。飾り気のない服を着たら、素材で勝負って感じがするでしょう。そんなの怖い。素手で戦えない。何かないと不安でメッセージロゴを求めてしまう。そして着ている服のロゴを心無い人に声を出して読まれ、意味まで聞かれて、傷ついて帰る。そんな日々を繰り返していた。

いまも別に、自分に自信ができたってわけでは全くないんだけど、なんか、余計なものはなくていいと思うようになった。むしろどんどん削ぎ落としていきたい。がんばってるのがバレないようにしたい。服で一笑い取らなくていい。自然な感じを演出したい。ボーダーもストライプもチェックもいらない。あんなものは飾りです。だいたい服の柄なんて生きていくのに必要ない。

ついにここまでたどり着いた。よし田舎暮らししよう。