SEのイメージ

あまり大きな声じゃ言えないけど、いま仕事が暇なのね。まあ暇なのはいいんだけど、職業がSE(システムエンジニア)だから、ちょっと困ってる。

人の噂やネットで集めた情報によると、SEは死ぬほど忙しいらしいんだ。SEは休みもなく、家にも帰れず、風呂にも入らず、ただひたすらに働き、体を患い、心は狂い、納品と同時に倒れ、LANケーブルにからまって死ぬものなんだって。

そんな業界の中で俺が暇だなんて言ったら、忙しい同業者に徹夜明けの目でにらまれて、ガツガツ蹴りを入れられるでしょ。でも俺に言わせたら、忙しいSEなんてのは二流だよ。暇なSEは三流だけどね。そんで一流のSEはみんな墓の下だから、あー、えーと、その靴かわいいね!

世間的にも『SE=忙しい』ってイメージは定着してるようで、俺がSEだと言うと「じゃあ大変ですねー」みたいに言われるよ。そこで「暇です」って答えたとき、なんかちょっとがっかりされるんだ。やっぱり世間の人々は、アイドルはうんこをしないってのと同じように、SEは常に忙しくしていてほしいって思っているんだね。

まあ実際は忙しいときも暇なときも両方あるんだけど、これからは常に「めちゃめちゃ忙しい」って答えるようにしたい。だってやっぱりSEはユーザの期待に応えるのが仕事じゃない? 世間が『忙しいSE』というイメージを望むなら、そのイメージを壊さぬよう、システムの開発に殉死するのが我々SEの役目じゃない? ってことで、つまり、納期は変わりませんので、死んでください。